さくら、ひらひら。





「や…よい…?」


声は聞こえなかったけれど

聖治がそういった気がした。


「…!」


優依がなんで?って顔であたしを見ている。


「優依…、聖治…」




「なんで…なんでここにいるの?

うち、言ったよね?友達と会うって!!」


「それは聞いたけど!

でも、ここで会うなんて聞いてない!」


「…それはそうだけど…。


…どうして…っ」



優依は、泣き始めたみたいだ。



「どうして…うちの邪魔ばっかり…

弥生は…ずるいよ…

いつも…いつも!!」



優依がいきなりあたしに向かって手を振り上げた。


聖治が前に出ようとしたけれど、

間に合わなかった。


あたしはきつく目をつぶった―――。






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