さくら、ひらひら。
『弥生お姉ちゃん!お勉強教えてー!』
『うん、いいよ!こっちにおいで!』
小さいころからお母さんは仕事だったから、
よく家に上げて足し算とか引き算とか簡単な漢字とか
あたしが習ったことをそのまま教えてあげていた。
『わ!すごい…!全部あってるよ!』
『ホントに!?』
すると、優羽ちゃんは急に悲しそうな顔になって
『お姉ちゃんは…優羽のお姉ちゃんは
優羽のこと嫌いなの』
『…どうして?』
『…わかんないけど…』
しょぼんとうつむく優羽ちゃんに
何をどうしたらいいのかわからなくて、
頭をポンポン、と撫でてあげた思い出がある。