さくら、ひらひら。




「もー、優依!なんでそんなに遅いのっ!」


「ごめんごめんっ!服どれ着ようか迷っちゃって」


「そういうのは前日に決めとけといつも…」



なんかイライラモードの聖治がぶつぶつと文句を言っている。




「まぁ、聖治落ち着け。バス来たぞ?」



予定より1本遅いバス。



一番後ろの長い席を4人と荷物で占領すると、

優依がガサガサと何かを出した。



飴とかガムとか、キャラメルとか。



そんな類のものを優依はいつも持っている。




「俺、ガムね」「じゃあたしは~…飴!」「俺もガム」



どーぞ、とあたしたちにガムや飴を配ってから。





「始まるね。最初で最後の旅。」





そう優依がつぶやいたことは誰も気づかなかった。




< 21 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop