さくら、ひらひら。



そう笑った優依の横顔を見ると、なぜか切なくなった。





どうしてだろう?






「やーよい!ほら、オレンジジュースとコーラあるけどどっちがいー?」

「んーじゃオレンジ」

「オレンジ一本入りまーすっ!」

「何の店だよ、ここは」


そんなやり取りを聞いて

くすっとあたしが笑うと、



「…やっと笑った」



聖治が優しい目であたしを見ていた。



「え?」


「晩御飯の間、お前全然笑ってなかったから心配でさ?」



ニコニコと見たことのないような笑顔で微笑む聖治は、

なんだかカッコよくて。




今日、聖治に助けてもらってばかりだ―――。






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