さくら、ひらひら。
「春っぽい…って詩人だねぇ」
「マジでか!」
「春っぽい味…うーん…」
「やめてよ、リピートすんの!」
「ちょっと、大!弥生いじめたら許さないからね!」
「いじめてないしっ!」
「弥生、おいしい?」
愛しい声。
「うん、おいしいよ!」
「よかった」
どうやらこのお菓子は聖治が買ってきたらしい。
「なんか弥生っぽいなって。見て、3月限定発売」
「う…うん」
「弥生って、3月の事だろ」
「あ、そっか」
「そっか、って…。でもそういうところも弥生だよな」
「ど、どういう意…っ」
「可愛いなって」
あたしは自分の耳を疑った。
可愛い?
いやいや、そんなはずは…。
「今、なんて…っ」