さくら、ひらひら。
「じゃ弥生、行くか?」
「弥生っ、聖治っ、バイバーイっ!」
「バイバイっ!」「じゃぁな」
くるりと優依に背を向けて星がキラキラ、
夜道を二人並んで歩く。
こうしてると、本当に恋人みたいで勘違いしてしまう。
「今日も楽しかったっ!」
黙ってると、雰囲気にのまれそうで怖かったから
声を出してみる。
「楽しかったな?明日であの制服着るのも最後か…」
「卒業証書とかほしくなぁーいっ」
「だなっ?高校生になったら俺と弥生は一人だしな?」
「そこだよね、そこ!」
聖治がいったん言葉を切って、
「……寂しくなったら電話していいから。メールでもいい。」
「へ?」
「弥生の話、聞くから。」
「…うん。」
「でも、おれの話も聞いてくれるか?」
「うん!当たり前じゃん!」
「俺、毎日電話するかも。春休み中も。」
「あたしは全然いいよ?」
春休み…毎日電話っ?
ドキドキして脳が正常に作動してないけど、
その言葉はしっかり聞き取れた。