さくら、ひらひら。
「弥生、なに飲む?今日はおごり」
「嘘、いいの?」
「…俺の気が変わらないうちにさっさと選べ」
聖治がチャリン、と120円を自販機に入れた。
「じゃー…これっ!」
温かいココア。
「…弥生っぽい」
ぽかぽかとあたしの手は温かい。
聖治からもらったココア。
すぐ飲むのはもったいなくてそのぬくもりを手で感じた。
「飲まないのか?」
そういいながら聖治はブラックのホットコーヒーを飲んでいる。
「あったかいなーって。」
「そっか」
もうすぐしたら分かれ道だ。
「…ココアありがと。また明日ね!」
「あぁ、また明日」