さくら、ひらひら。
そんないつものやり取りも終わり、そろそろ家に帰る時間だ。
「じゃ、弥生。帰ろ」
聖治があたしに声をかける。
「…弥生、もうちょっとだけいようよ。」
大があたしを見つめる。
「もー!大、わがまま言わないっ!うちがいてあげるからっ」
「…いや、お前じゃダメ」
「…え?…」
少しだけ大の部屋に険悪なムードが流れる。
「…弥生、行くぞ!」
聖治はあたしを無理やり立たせて、「じゃぁ」と残して
部屋を出た。
あたしは何が起こってるのか理解できなくて、
ただ聖治に引きずられていた。