さくら、ひらひら。
第8章 あのね。
と、その時。
「あら、弥生?びっくりした!まぁ、聖治くん?久しぶりね!」
お母さん。
今日仕事は休んだはずなのに、なんでこんな時間に?
そんな疑問が浮かんだけれど、
お母さんが来た瞬間あんなにお互い放せなかった手は
どちらからともなくパッと放されていた。
「二人とも、もう遅いわよ?お話は明日にしたら?
じゃぁ、お母さんは先に入ってるわね。
おやすみなさい、聖治くん」
聖治はお母さんにペコッと頭を下げた。