さくら、ひらひら。



聖治が心配そうにあたしを見ている。




「あの…」


普段からは考えられない声のトーンで大が切り出す。


「俺じゃ…。俺じゃダメかな」



答えなんてとっくに出てること、

きっと大は知ってる。




ただ、卒業したことで、
自分に区切りをつけようとしているんだ。


いきなり黙り込んだあたしに、聖治が


「弥生?」


と声をかけた。





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