ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
第一章

あたし

「あたしたち、終わりにしよっか」


ボタンをはめながら冷たく言う。


「そんな…!僕たちあんなに愛し合ったじゃないか!」


ここはラブホテル。

部屋はピンク色に包まれ、乱れたシーツが何があったのかを悟らせる。


「あんた、彼女と別れたんだって?」

「…それは君が好きだから」

「あたしは彼女がいない男なんか興味ないの」


そう言って、ベッドから立ち上がった。


「待って!まだ話が…」


男が手首を掴む。

あたしは笑ってこう言った。


「さようなら」
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