ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「…チカちゃん!」


自分の部屋に入ろうとすると、お母さんが呼び止めた。


「紹介したい人がいるの」

「え?」

「…いいから来て」


訳が分からずリビングに連れて行かれた。

スーツを着た男が椅子に座っている。

それは、どこかで見たことのある後ろ姿だった。


「この人が前言ってた私の結婚相手よ」


あの時言っていたことが本当であると確認する。

無心で見続ける男の背中。

すると、男がこちらを向いた。

顔を見て、呼吸が止まる。

相手も驚いているようだった。


「…ちーちゃん?」


そう、男が呟いた。
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