ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「…じゃぁ、行くから」


家を出ようとすると、いきなり結平が腕をつかんだ。


「ちょっと…!離してよ!」


振りほどこうとしても、離してくれない。

腕に痛みと熱さを感じた。


「行かせない」


今まで見たことのない真剣な表情で、結平がそう言った。

強い目であたしを見る。

あたしはその目に負けそうになった。

涙が出そうになった。


「分かった…分かったから離して」


その言葉を聞いて、結平がゆっくりと力を弱めた。

あたしは目を合わせないように、黙って自分の部屋に戻った。
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