ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「…あ!ちーちゃん…!」


結平があたしに気がついた。

キスが中断される。


「お、おかえり…ちーちゃん」


焦る結平の表情は、胸をますます深く突き刺す。

ますますあたしを惨めにさせる。


「ちーちゃん…?」


結平が心配そうに聞いた。

あたしはニッコリと笑って家に入った。

途中でお母さんと目が合う。

お母さんがあたしをにらんでいるような気がした。

きっとキスを邪魔されて、怒っているのだろう。

やっぱりあたしは…

ここにいるべきではないのかもしれない。
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