ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
引越してから、一ヵ月が経とうとしていた。

お父さんは相変わらず、時々ご飯を持って遊びに来ていた。

今日も来ると、さっきメールがあったところだ。


「もう来ないでって言ってるのに…」


荒々しくケータイを投げる。

自分の抑えている気持ちが、不意に出てきそうな気がして気が気でない。

自分の弱さに苛立つ。


「人の気も知らないで…」


膝を抱えてボソリと呟いた。

静かな部屋で一人小さく座る。

心が悲鳴をあげそうになったとき、チャイムが鳴った。
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