ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「ちーちゃんが良くなるまで、ずっとここにいるよ」


微かに開いた胸の隙間から、その言葉が入り込む。


「もう大丈夫だから…」


お願いだから、これ以上優しくしないで…

お父さんに優しくされた分だけ、辛くなる…

風邪なんかよりずっと、苦しくなる…


「…帰って」


あたしはそう言って、布団をかぶった。

顔を見られないようにした。


「…じゃぁ、ちーちゃんが眠ったら帰るよ」


どうしても側にいようとするお父さん。

あたしはそれ以上何も言えなかった。
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