ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「ならこんなとこいないで、早くお母さんのとこ行って!」


そう言って結平の肩を押した。

結平の足が一歩前に出る。


「あー!寒い!早く部屋で温まろう!」


あたしは結平の顔を見ずに階段を駆け上がった。

目からたくさんの涙が流れる。

拭いても拭いても止まらない。


「…バッカみたい」


階段の途中で足を止めた。

冷たい風が顔に触れた。

その時だった。
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