ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「…今日はお母さんのところに行って?」


唇が離れると、あたしは結平に言った。


「でも…」

「行かないと変に思われるから…」


結平は少し考えて、小さくうなずいた。


「…じゃぁ、行くから」


元気がない結平に、あたしが甘えるように言う。


「…また来てね」


結平は笑って、手を振った。

少し元気になった背中を、あたしは最後まで見続けた。

こうしてあたしと結平は…

娘と父という、

禁断の恋愛に足を踏み入れたのだ。
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