ﾄﾞ ﾛ ﾎﾞ ｳ ﾈ ｺ (改)

「…明日もう一度言ってみる」


真剣な表情で結平が言う。

何のことなのか、すぐに理解した。


「お母さん…離婚してくれるのかな…」


結平は今までに何度もお母さんに離婚を申込んでいた。

その度に断られ、離婚届は破られている。

一体何枚離婚届を書いたら、お母さんは離婚してくれるのだろうか。

でも離婚すれば、あたしは本当に結平を奪ったことになる。

自分の母親から…


「…ちーちゃん」


肩を抱き寄せられる。


「頑張るから…」


あたしは結平の肩に頭を乗せた。

ぬくもりが胸いっぱいに広まった。