ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「なんで…!あんなに断ってたのに!」

「よく知ってるのね…さすが結平の女」


お母さんがあたしを一人の女の目で見る。

お母さんのもう一つの顔が現われる。

ここからは女同士の戦いだ。


「私から結平を奪った…ドロボウネコ」


結平の相手は誰なのか、お母さんは知っているのだろうと予想はしていた。

いつかこうなることも分かっていた。

今までいくつもの修羅場に強気で立ち向かってきたけれど、今回はそうはいかないようだ。

少し体が震えている。

血の気が引いて、手足が冷たい。

あたしはいつからこんなに弱くなったのか。

相手がお母さんだからなのか。

それとも…

この恋に…

結平に本気だからなのか。
< 219 / 235 >

この作品をシェア

pagetop