ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「結平のおばあちゃんが亡くなって、弱気になってたところを狙ったから、バチがあたったのかもね…」


そう言って、お母さんは笑う。

だんだんあたしは、そんなお母さんを直視できなくなっていった。


「最初から結平…私を愛してくれてなかったのかな…」

「そんなことないよ!」


何を言っているんだろう。


「結平はちゃんとお母さんを愛してた!」


結平を奪ったあたしが何を言っているんだ。

二人を壊したのはあたしではないか。

でも、口から勝手に言葉が出る。

一人の女としての言葉が。
< 222 / 235 >

この作品をシェア

pagetop