ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
お母さんはあたしにたくさんのことをしてくれた。

おいしいご飯を作ったり、運動会にも来てくれた…

なのにあたしは…

…あたしは悪い娘だ。


「お母さん…」


最後まで悪い娘でごめん…

でもこれがあたしができる唯一のこと…


「…結平、もらうから」


お母さんはそれを聞いてニッコリと笑った。

あたしはその時、初めてお母さんの顔を見たような気がした。


「……っ」


視界がぼやける。

涙がこぼれそうになる。

あたしはサッとお母さんに頭を下げた。

涙を見せないように…

それから、今までの気持ちを込めて…
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