ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「いないよ…そんなもの」

「え…?」

「学校辞めさせられて、途端に婚約解消されたよ…」


あたしの身体を押さえ付ける左手の薬指には指輪はなく、一瞬先生の顔に悲しい表情が見えた。


「でもいいんだ…」


でもその表情は元の不気味な顔にすぐに戻る。


「僕には黒沢がいるからね…」

「……っ!」

「僕ね、練習したんだ。だから今度は黒沢を気持ちよくさせてあげられるよ…」


そう言って、再び手を動かし始めた。
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