ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「止めて!」


あたしはとっさに叫んだ。

それでも続けようとしている。


「…結平!」


そう言うと、我に返ったように足を降ろした。


「…今度ちーちゃんになんかしたら俺、アンタに何するか分かんねぇから」

「……」

「覚えてといてよ、先生…いや、元教師さん」


そう言い残し、あたしたちはその場所を後にした。

あたしの肩に手が添えられ、ゆっくりと歩く。

見上げるとにっこりと笑う顔と、光輝く月が痛いほど眩しく見えた。
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