ド ロ ボ ウ ネ コ (改)
「…じゃぁ、あたしはこれで」


この居心地の悪さに耐えられなくなり、病室から出ようとした。


「あ!チカさん待って!」


おばあちゃんに急に呼び止められる。


「もう少し、お話ししませんか?」


そう言って、ベッドの近くにある椅子に座るよう誘われる。

おばあちゃんの憎めない笑顔。

あたしはそれに逆らえず、椅子に座った。

その時、チラリとウサギの形に切られたリンゴが数個目に入った。


「よかったらどうぞ」


遠慮しながらも、あたしはリンゴを一つ手に取った。


「…おいしい」


あたしがそう言うと、おばあちゃんはニッコリ笑って「結平も好きなのよ」と教えてくれた。
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