飛行機雲
「待て!」



まるで犬でも扱うような感じで

あたしを呼び止めた


(聞こえない聞こえない)


勇気を振り絞りながら
決して聞こえていないフりをした


「待っててば!」


ガシッと肩を掴まれて
そのまま逆方向に向きを変えられた


「コレ!」


彼が手に持っていたのは


「あ・・・・」


水色のハンカチ・・・・



「あたしの」


だった
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