SweetS Love
沈黙が流れる。
周りは野次ばかりでザワザワしている。
「ゆ…優……??」
か細い私の声は優に届く前に野次の声に紛れる。
「優ッ!…」
私が力をこめて言うと、ムクッと体だけが起き上がった。
「どうしたの…?」
優の席に近付いて、
覗きこむように言う。
「……波っ…波流??」
一回優がハンカチを目からのけて、
私を確認すると…
安堵の表情を浮かべて、またハンカチで目をおさえた。
「…波流だよ。
一体どうしたの…?」
「ここでは…話せないッ…」
周りはまだ野次がいる。
「…。じゃあ…屋上言っちゃおっか。」
「…うん…グスッ」
私達は周りの視線を痛い程感じながら、
屋上へと向かった。