SweetS Love
「邪魔、退いてくれる?」
ビクッと後ろを振り返ると…、
冷たい王子と呼ばれている…
啓がいた。
「あ…ごめんなさ…い」
あたしは優の方に寄った。
次の瞬間…―――
カチャ
「眼鏡外したら??
こっちのが可愛いよ。」
「えッ!!!??ちょっ!!!
返してください!!」
「やだ。」
「は!?
返してよ~!!!」
「やだって。」
「あ!そこまでしたならゴムはずしちゃいなよ!」
優はパラッと私の三つ編みを解いた。
「わわわ!!!
止めてよ~;;;」
三つ編みのせいでウェーブが少しかかった髪の毛。
「可愛い~!!!
なんなの一体!?」
「七変化?ってぐらい見違えてるよ♪
波流ちゃん??」
「……///」
やだ…
何照れてるの…?
私っ……
「わ!可愛い子ちゃん発見~」
「こんな子いたっけ?
転校生じゃねえよな?」
「ね~君名前なに~?」
馴々しく私の肩に寄り掛かってくる。
気持ち悪い………。
「やめて下さいっ…」
「照れちゃって可愛い~♪
名前は?」
顔が近付いて来て…
振りはらおうとした時…
一本の手が横から伸びてきた。
「やめろよ。」
「ちょっ…啓くっ…」
ヤバいと悟り、止めようとした所で…
男子達は帰って行った。
「ちっ…啓かよ―…」
「彼女かな?」
「でも作らない主義って言ってなかったか??」
「俺にも分かんねぇ。」
へ―…
啓君って彼女作らないんだ……。
って何勝手に名前呼んでるんだろう…??
「啓君カッコいいじゃん♪」
優がニヤッとしながらボソっと私に言った。
そんな優の足をちょこっと踏んでから啓君の方を向いた。
「今さっきはありがとう。
ねぇ、啓くん。」
「何?」
「あの―…
彼女作らない主義なの??」