小さな僕




電車から降りて、僕とお母さんは手を繋いでたくさん歩いた。


そしてやっと


お母さんは、足を止めた。


お日様がしずみ始めてきた。

ずっと歩いたからとっても足が痛かった。


「きれいでしょ、この海」
「うん。海、おっきいね
イルカとか鯨とかたぁっくさん泳いでるとこだよね」

オレンジ色の海をお母さんととっても高いところから見た。


「そうねぇ」


またお母さんが少しだけ笑った。



< 14 / 34 >

この作品をシェア

pagetop