しろうさ恋日記。
「……わかった。そいつ超有名人よ?」


美華はなんで知らないの?と呆れた顔で言った。


「な…、なんて人…っ?」


わたしは思わず前に乗り出すように美華に詰め寄った。


「はいはい…。1‐Dの弓道部期待の新入部員…月城咲夜(ツキシロ サクヤ)に間違いないわね」


「………っ!!」


月城咲夜くん……!


心の中で呼んだのに、顔はか~っと熱くなった。


「わかりやす~。でもほんと何で知らないのよ?入学式の日からすっごい騒がれてたのよ。それこそ上級生まで……」


美華はニヤニヤと…それに呆れたようにそう付け加えた。


上級生にまで騒がれて……


「超…モテモテ…?」


恐る恐る聞くと…


「紛れもなく。超超モテモテ!」


超が増えた……っ!!


だよね…あんなにかっこいい人見たことないもん……。


自分の見込みのない片想いに、
浮かれた気持ちはずぅんと沈む……。


「バカね~!今から諦めてどうすんのよ?」


「………」


美華は優しくわたしの頭を撫でながら


「初恋でしょ?あたしだけの白羽を盗っちゃうアイツはムカつくけど……白羽のことは応援するわよ」


「………!」


顔をあげると美華は優しいお姉さまの笑顔でわたしを見ていた。

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