しろうさ恋日記。
あぁ……そうだ。


この男なら……。


「……茜。おまえ、タラシだよな?」


「……はぁっ!?」


俺の一言に茜は猫のような大きめの目を吊り上げて振り返った。


「いきなり何を言うっ!?そりゃータラシだけど、タラシがタラシって言われて『はい。タラシです』って言わなきゃいけねぇのかっ!!」


……タラシがタラシを4回言ったなぁ…。


いやいや…違う。


俺は頭を振って茜に向き直る。


「うるさい。違う。……だから、おまえこの学校の女子の顔と名前わかるだろ?」


俺が言うと、茜は猫目を皿みたいにまんまるくして、口までパカっと開いて…驚きまくった顔で俺を凝視した。




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