しろうさ恋日記。
――――コンコン。
「…………はいっ。」
もう何度目かのノックの後、戻ってきた咲夜くん。
「…………お待たせ。」
そう言って少し笑って…彼もやっと着替えを終えていた。
それに気付いて、ふと思った…………。
咲夜くんだってびしょ濡れだったのに……………わたしのことが全部終わるまで着替えなかった…………。
わたしを…………優先してくれたんだ……………。
「…………っ。」
そんな彼の優しい気遣いに、胸がじーんとしてしまう。
「…………?………どうかしたか?」
急に黙り込んだわたしの顔を覗き込むと心配そうな顔になる。
「なんでもないの………!
咲夜くん………いろいろいっぱいありがとう………!!」
わたしはぶんぶんと頭を振ると、潤んだ瞳を隠すように精一杯の笑顔を向けた。
「…………どう…いたしまして。」
そんなわたしに咲夜くんも、フ…と微かな笑顔をくれて、わたしの頭を優しく撫でてくれた。
冷たい雨も
優しいあなたの傍で
心まで温かいんです。