しろうさ恋日記。
【side咲夜】
「礼!ありがとうございました!」
「「ありがとうございました!!」」
かけ声と共に部活が終了する。
1年は道場の掃除をしてから帰る。
掃除も終わり汗を拭きつつ、一度顔を洗ってこようと弓道場の脇にある手洗い場に向かった。
バシャバシャと顔を洗い、暑いのでそのまま頭から水をかけた。
頭を振って滴る水を払いタオルをかぶった。
ふと、顔を上げると……
女の子が、立っていた。
手にはプリントを持って、呆然とした表情で……。
あの子が……!!
「……あ…っ」
「………っ!!」
俺が何か言う前にハッと我に返ったように…彼女は走り去ってしまった。
「………逢えた…」
呆然と一言、つぶやいた。