しろうさ恋日記。




学校が近づいてくるごとにわたしの動悸は激しさを増す……。



一度は教室に入って…荷物を置くべきかな?



いやいや……。



真っ直ぐ弓道場に行くべきかな?



「~~~っ。……よし!」



散々悩んだあげく直接弓道場に行くことにした。



だって、一度教室に行っちゃうと…決意が鈍ってしまいそうだから……。



恥ずかしさに行けなくなってしまいそうだよ……。



そんな臆病な自分に負けてる場合じゃないんだ!



わたし、本当に、月城くんに逢いたいから……っ!



がんばる…がんばる…っ!!



がんばって……また、『おはよう』って…言うの……!!



心の中で『おはよう』を繰り返した。



くそぅ……っ!鎮まれっ!わたしの心臓っ!!



そうこうしているうちにあっという間に弓道場に……ついた。



扉に手を伸ばす。



バカみたいに震える指が……わたしの緊張をドカンと伝えてくる。



――――カチャ……。
ゆっくりドアノブを回した………。



そぅ…っと、中を覗いたら…………



「…………っ。」



袴姿の月城くんが真っ直ぐに的を見つめて…弓を構えて立っていた…………。








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