しろうさ恋日記。




やっぱり……その後ろ姿はあまりにも綺麗で………



わたしは時が止まってしまったみたいにぼぅっと彼に見とれた。




いやいや……!

ちがうちがう……!!



見とれてる場合じゃないよ……!



言うんだから……!!



「………っ!……ぉ……っ…」






なんで言えないかな……?
たった……たったの四文字だよ……?



「………っ。」



さっきまでの勇気……どこいったの……。



情けないやら恥ずかしいやら……じんわり悔し涙が浮かぶ。






その時だった………



何かに気付いたように、月城くんがゆっくりと振り返り…………







「………おはよう。」



「………!!」






わたしが言えなかった言葉を……まるで代わるみたいに……嬉しげな笑顔まで付けて、言ってくれた…………。




だから…………



「………おはよう…っ!」



「………っ!!」








わたしも言えた…………!!








もちろん、まっかっかになった……笑顔付きで。








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