しろうさ恋日記。





「………はぁ…っ…はぁ……」



手を引かれ、着いたところは弓道場…………。



慣れないかけっこに情けなくもへばるわたし………。



月城くんなんて息も切らしてないのに…………。



「…………ごめん………。大丈夫……?」



そんなわたしに、月城くんは申し訳なさそうに眉を寄せていた。



「………へ、平気!……情けないよね……?」



「………!」



そう言って、恥ずかしさにへらりと笑った。



「…………ごめん…………!!」



「………!?……え…?もう……平気だよ……?」



いきなり下げられた頭に、それは大げさだと戸惑っていたら………



「………違う……。俺、誤解してた………。」



「…………え……?」



月城くんは俯いたままそう言って………



「……………藤間と、お父さんの……こと。……日曜日に見たんだ………。仲良さげな恋人どうしだと…思ってた…………。」



「…………!?」



日曜日……って、パパと出かけた日………!?



見られてたんだ………………!








< 76 / 165 >

この作品をシェア

pagetop