哀恋~素直になれば。
5.どうして…
欲望に囚われた透をあたしはどうにかして助けたいって思った
小さい頃からのあたしの親友―――透を。
「真理亜~!一緒に遊ぼうよぉ~」
『あっ!透だぁ~!あしょぼ☆あしょぼ!』
幼い頃のあたし達は仲が良かった
でも、どんなことがあろうとあたしは透を恋愛感情で見たことがなかった
透は分からないけど―――
せっかく光輝が拭ってくれたのにあたしはまた新しい涙を流した
そして、握っていた光輝の手を優しく解いて欲望に囚われてしまっている透に抱きついた
『ごめん…ごめんね…透―――――』
子供みたいに泣きじゃくった
透は、いつもよりうんと優しく抱きしめ返してくれた
そして泣き疲れて深い眠りに堕ちた―――