哀恋~素直になれば。
6.叶うことのない夢
あたしは、夢を見た
待ちに待った光輝とあたしの結婚式
式は華やかに…そして盛大に…
お母様、お父様…たくさんのいろんな人
みんなに祝福されてあたしと光輝はとても幸せだった
――――アノ、男(透)以外は…
アノ男はあたしと光輝を妬ましそうに見ていた
そして、式も中盤に差し掛かった時、突然席を立ってあたしと光輝に襲いかかって来た
正確にいえば<光輝>に…
あたしは、光輝を守ることしか考えてなくて…
そんな想いで光輝と男の間に立ち塞がった
アノ男は、手に持っていたナイフであたしのお腹をさした
鈍い痛みが全身に駆け巡った
『ウゥ…』
あたしはくぐもった声を出して床に倒れた
アノ男は放心状態であたしを見ている