哀恋~素直になれば。
そう、叫んで婚約を取り消してもらいたい。

お母様とお父様だったら分かってくれるはずだもの…

でも、言えない。

だって暴力を振るった後の透はあたしの髪を優しく撫でながらキスしてくれるから。

――最近では嫌気がさしてきたけれど。

「真理亜っ…このこと、言ったらどうなるかわかってるよな??」

キスが終わった後、おもむろに透は足をさすっているあたしに声をかけてきた

『はっ、はい…』

脅されているから、言えるわけない。

最近では大神財閥は橋本財閥に屈してる感じだから…

会社を終わらせるためにはいかない―

「真理亜様。透様…学校のお時間ですよ」

ちなみに、あたしと透は高校生

さすがにクラスは同じじゃない

「はーい!今行きます☆」

突然、表向きの口調になって家政婦さんに声をかけた

そして、あたしの手を優しく―怖いくらい―握った

「じゃ、行こうか?」
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