哀恋~素直になれば。
2.一日一度の幸せ時間

「じゃあね、真理亜…また放課後」

『うっ、うん…またね。透』

学校に着いて、透とバイバイする時があたしにとって安心な時間のような気がする

クラスが別=殴られない=痛くないという、考えが頭の中をいつもよぎる

あたしと、バイバイすると透は別の可愛い女の子達と一緒にどこかへ行ってしまうから。

そんな光景を見るといつも思ってしまう…

透は怖いんだよ…!気をつけてって――

「おっはよぉ~☆真理亜っ‼今日も学園王子とラブラブだねぇ」

と、突然、友美(ユミ)ちゃんが声をかけてきた。

透は、誰が見てもカッコイイ。

だから学校では学園王子として名が通ってるらしい

ばかばかしい。

その言葉に尽きるけど…

友美ちゃんはあたしの友達だけど友達じゃない…

透の本性を知らないから…

あたしが本当に心を許してるのはただ一人しかいない

「ま~りあ♪」

フワッと笑う天使…じゃなくて光輝(コウキ)。

子犬のように可愛いが人の思考には鋭い

唯一、何も言わなくても透の裏の顔に気が付いていた





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