哀恋~素直になれば。
『おはようっ、光輝』
ちらっと透の姿がないか辺りを見回してからあたしは笑顔で挨拶をした
友美ちゃんはフイッと光輝が来るとそっぽを向いてどこかへいっていしまった。
―どうでもいいけれど。
光輝には、あたししか友達が居ない
もちろん、理由は透だ。
透は、いつもあたしが光輝と喋ってるのが気に食わなくて学園中にある命令を出した
≪柏木 光輝とかかわるな≫
透の命令は絶対
透は、親の権力を振りかざし過ぎだ
あたしには通じないけど…
あたしは、光輝を守る
―――友達として。
光輝を友達と思うたび胸が苦しくなるけど…。
そんなこと思っているうちに光輝はあたしの近くに来ていた
そしていつものコトのように耳元でささやく
「今日はどこを叩かれた??」
と。光輝の吐息がかかった耳がピクっと反応してしまう
どこを叩かれた?…があたしと光輝の朝の挨拶みたいになっていた。
『えっと…足の――脛だった』
言いにくそうに顔をしかめながら言った