哀恋~素直になれば。
3.いやだっ!
『いつも、ごめんね。光輝』
「気にすんなって」
あたしは今、屋上で光輝の治療を受けている
光輝は「うわっ。ひでぇー」と言いながら優しい手つきで湿布を付けてくれた
この時、あたしは【アル言葉】と葛藤していた
言いたいけど、言ってはいけない。
『あ、あの…ね。光輝――――』
顔をあげて光輝を見ようとしたとき…あたしは光輝の後ろにあたしの苦手なひとが立っていた。
顔は恐ろしく歪んでいる
「ねぇ、真理亜。どうして俺に黙ってコソコソしてるの??」
パッと反射的に立ち上がって光輝をかばうように透と向き合った
あたしは、あたふたといい訳を話そうと口を開いた
『あの…あのね…――これは――――…』
すると、また声を遮られた
最近では心地よいとまで思えるようになった光輝だった