哀恋~素直になれば。
でも、そんなことを思い、考えたのは一瞬だけだった
顔を赤くして怒鳴り返した光輝の声によって消えた
「だからなんだよっ!お前なんかより、俺の方が真理亜を大事に想ってんだよ」
―――…えっ??
あたしは耳を疑った
でも、透だって負けるわけがなかった
悔しかったんだろう…透は光輝に言葉よりももっと酷い。
手を出していた
光輝の胸ぐらを掴んで低く唸って言った
「お前に俺の何がわかんだよっ」
そう言って透は光輝を思いっきり殴った
光輝は痛そうに顔を歪めたが次の瞬間には殴り返そうとしていた
この時の、あたしは光輝を守ることしか考えていなかった
ココで、光輝に透を殴らせたままにしたら全て光輝のせいになるのだろう…
だから…だから…――――
『光輝っ!やめて!!お願いだから…』
あたしは泣き叫びながら光輝と透の間に入った