True Love
「俺が鮎子に初めて逢ったのは、小学4年のとき。あんトキから、かなりの美少女でさぁ。一目惚れだったね。マジ。」

ハハハッと笑いながら、正博は話を続ける。

「でも、あいつの人を引き付ける力ッテのは、また別にあったんだょな。なんつぅか、……存在感?ん-、なんか違うな。」

正博は、なんて言えばイィんだ!?、と一人で悩み始まってしまった。

「マサジ!!何となく、言いたいこと、分かる。ォレも多分、同じ…だと思う。気付いたら、ココにいるッテゆぅか…」

香織は自分の胸を指しながら言った。

「ん。そんな感じ。不思議なんだょなぁ。」

正博は、わざとらしいぐらい明るく言った。


もしかして……。

「マサジ。あのさぁ…、」

香織がどう聞こうか、迷いながら話かけた瞬間、

「かぉチャン、ごめ-ん。遅くなったぁ!!」

隣のクラスのホームルームがやっと終わったらしく、芽衣がウチの教室に入って来た。


「やっと終わったかぁ。んぢゃ、俺もダチ連れて見学してくるし。また明日な。」

正博はそう言うと、素早く教室から出て行った。

まるで、香織の質問から逃げるように。


香織は、自分の考えにズキッと胸の痛みを覚えた。理由もわからず。


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