1番星を見つけて




「おや、お嬢ちゃんこんにちは。」
中年男はにこやかに
私に話しかけてきた。
熊みたいな顔してて
シワが多い。

「…こんにちは……」

私は消え入りそうな
小さな声でなんとか
挨拶をかわす。
極度の人見知りだから。


「お隣のお嬢ちゃんかな?」
「…うん…」

「そうかそうか。おじさんお隣に引っ越して来たんだ。よろしくね。」

「…はい…」

「はは、お名前は?」

「花岡、樹里亜。」

「樹里亜ちゃんかあ。可愛いねえ~なあ翔?」

中年男の他に誰かいるようだ。
どうやら翔(カケル)という名前らしい。


翔が車の窓から顔を
面倒臭そうに出す。




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