もう1度その声を


「俺の授業中に考え事とは、いい度胸だなぁ永瀬。問題の回答でも考えてたんだろうなぁ」





「えーっとぉ。それは、28.5gじゃないですか??」




「・・・・・・・・。永瀬、お前、何でこの問題分かったんだ??」





先生もみんなも驚いている様子だ。


当たり前じゃん。1回受けてるんだし、この問題何回も塾でやったしさ。




「アタシが天才だからですよ、先生っ」



「調子にのるなぁぁ!!!まぁ、とにかく座れ」






アタシは椅子に座りなおして、再びシャーペンを持った。


そして、考えごとをする。



あっちのアタシは、死んだんだ。



だって、最後に聞いたあの音は




心肺停止を示していたから。





< 12 / 32 >

この作品をシェア

pagetop