もう1度その声を
「ねぇ、はらちゃーん。お願いだから、見逃してよぉ」
「なぁに言っとるんじゃお前は。後輩はしっかり来てるってゆうのに」
「後輩??」
卒業したはずの古沢先輩。
アタシが入学したころから人気があった古沢先輩で、最初にこうなった時はアタシも気分が上がった。
今では普通だけど。
「後輩ちゃんも、はらちゃんに言ってやりなよ。めんどくさいでーすって」
先輩の笑顔は可愛い。
ニカッて笑うその顔が何ともカッコよくて、こっちが照れてしまうくらいだ。
「先輩、よろしくお願いします」
「仕方ねぇな。よろしくな永瀬」
・・・・・・。
「何で、名前・・?」
アタシの制服には名札がついていない。
それに、前の時は、いきなり名前なんて呼ばれなかった。
「何でって、有名じゃん、永瀬。永瀬るいだろ??」
「・・・・・・はい」
もしかして、前とは違うコトが起こるの??