もう1度その声を


「じゃあ、始めるか」


「そうですね。ちゃっちゃと終わらして帰りましょう」




7.8枚の書類を1つの束にしてホッチキスで止める。

その間、ずっと無言だった。



ガラガラガラッ!!!!


「隼人!!!」


静かだった教室に、突然甲高い声が響く。



「吉野かよ。んだよ、ビックリすんじゃねぇか」


「ゴメェン。何してるのかなぁと思って」




あぁ。この人知ってる。

古沢先輩のコト好きな人で、確か、付き合ったけどすぐに別れたんじゃなかったっけ。



でも、この世界では「前」の事実は通用しない。



少しは変化してるのかな??



「永瀬と書類作りしてんだよ。委員会だから。だから、お前は帰った帰った」



そう言って、追い出す真似をする古沢先輩。


一気に吉野先輩の表情が変わった。



「何よぉ。別にいいでしょ??いたってぇ」



うわっ。

にらんできたぁ。





< 18 / 32 >

この作品をシェア

pagetop