もう1度その声を
吉野先輩が帰っていってから、ずっと無言で作業を続けた。
「終わったぁ」
アタシのノルマは終わったけど、先輩のはまだ残っていた。
「手伝います」
「・・・・。ゴメンな」
「えっ??」
「何か、悪いトコ見せてしまって・・」
「・・・・いいですよ」
それからは、また無言で仕事をして、残りを終わらせた。
「じゃあ、先輩。また明日。さようなら」
「あぁ。ありがとうな。じゃあな永瀬」
アタシは急いで教室へ荷物を取りに行って、玄関へ向かった。