もう1度その声を
5
帰り道は、なんとなく無言だった。
「るい?何があったんだよ」
心配する気持ちと、この沈黙に耐えれなくなった優真が口を開いた。
「吉野先輩、古沢先輩のコトが好きなんだよ」
「隼人先輩?何で、るいと隼人先輩が関係あんだよ」
「古沢先輩と偶然委員会一緒だったの。それがうらやましかったのか知らないけど」
「ふーん。そういうコトね。まぁ、気にすんなよ」
そう言って、優真はアタシの手を握った。
「俺は、いつでもるいの味方だし、傍にいるから」
笑顔でそう言った優真。
ねぇ、優真。
それは、本当に?
その言葉、信じてもいいの?
前の世界では、その言葉をずっと信じていた。
それでも、優真に別れを言われて。。
でも、アタシは。
「うん。ありがとう」
信じたかった。