もう1度その声を



帰り道は、なんとなく無言だった。




「るい?何があったんだよ」


心配する気持ちと、この沈黙に耐えれなくなった優真が口を開いた。




「吉野先輩、古沢先輩のコトが好きなんだよ」



「隼人先輩?何で、るいと隼人先輩が関係あんだよ」



「古沢先輩と偶然委員会一緒だったの。それがうらやましかったのか知らないけど」





「ふーん。そういうコトね。まぁ、気にすんなよ」




そう言って、優真はアタシの手を握った。



「俺は、いつでもるいの味方だし、傍にいるから」



笑顔でそう言った優真。







ねぇ、優真。

それは、本当に?

その言葉、信じてもいいの?


前の世界では、その言葉をずっと信じていた。

それでも、優真に別れを言われて。。




でも、アタシは。



「うん。ありがとう」



信じたかった。







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